親知らず

親知らずについて

親知らず

親知らずとは

「親知らず」とは、ちょうど真ん中から数えて8番目、智歯ともいわれる歯になります。歯の数は、乳歯の場合は全部で20本になります。永久歯は、28本を基本として、親知らずが4本ともあれば32本になります。

4本ともあればと書いたのは、1本もない方、2本だけ、3本だけ、4本ともと人によって様々な状態だからです。10歳を過ぎれば全体のレントゲン撮影を実施すると何本できてきそうかが判断できます。

何歳くらいで生えてくるのか

人によって異なりますが、今まで経験した方ですと15歳~高齢者まで幅は広いです。通常、18歳前後が多いように感じます。

高齢者の場合、親知らずの一つ前の歯、第二大臼歯が何らかの状況で抜けるあるいは治療により抜いた場合に親知らずが生えてくることがあります。

生えてくるときの痛み

第二大臼歯までの28本の歯が生えそろうのが13~14歳。そこからずいぶん遅れて親知らずが生えてきますので、それまでの歯磨きの習慣のままでは親知らずを磨かないままになってしまいます。

汚れた親知らず周囲の歯肉は炎症を起こしやすく歯肉がはれて強く痛みが生じる場合があります。この痛みは、虫歯の痛みと異なりより広い範囲に痛みを感じると思います。

親知らずと歯並び

親知らずと歯並び

親知らずと歯並びの関係性

親知らずは生えてくる場所が一番奥になりますので、十分なあごの大きさがないとまっすぐ生えることが難しいです。

斜めになったり、横になったり、時には逆立ちしたりします。斜めや真横になっている親知らずの生えてくる力は、一つ前の歯を押し、押された歯は、またその前を押しと、最終的には前歯が押されていがむことがあります。

矯正の際の親知らず抜歯の意味
(後戻り)

親知らずが存在していることで、生えてくるときの力は前の歯に対して力が加わり歯並びに影響してしまいます。

小学校~中学校で矯正を頑張ってきれいな歯並び、噛み合わせになっても、親知らずが生えてくる力で前歯がいがんでは非常にもったいないです。

矯正後にまた歯並びが悪くなる後戻りですが、親知らずが原因となる場合もあります。悪く戻ってからあわてて親知らずを抜歯しても、再度きれいに自然に改善することはありません。

親知らずの
痛みの原因について

痛みの原因

痛みの原因

親知らずは存在している場所が一番奥になりますので、磨きにくく汚れが残りやすいです。それにともない歯肉炎が生じることで痛みがでます。

また、前の歯を押して噛み合わせが変化し、それが原因で手前の歯に噛んだ時に痛みを感じることもあります。疲れると奥歯に違和感があったり、走るときに響く感じを訴えられたりすることもあります。

親知らずによる症状

  1. 腫れ
  2. 痛み
  3. 頭痛・肩こり

こんな医院での抜歯がおすすめ!

親知らずを抜歯する場合、まっすぐに生えてきている歯であれば当院でも抜歯することがあります。

レントゲン検査により、生え方や埋まっている位置、歯の根の形など抜歯が困難であると判断した場合は、病院の歯科口腔外科をご紹介させていただきます。

病院の歯科口腔外科は専門ですので、安心して施術していただけますし、縫合された場合は、当院でも抜糸を行い、なるべく患者様のご負担を少なくするようにしています。

親知らずの抜歯

親知らずの抜歯

抜歯すべき適切な時期

親知らずの抜歯についてですが、抜くタイミングとして、高校生の間を勧めることが多いです。

歯並びに影響が出ないようにという点もあるのですが、一番は、抜歯した後、急な出血や痛み、食事の困難さがあったとしても、周りの大人がフォローできるからです。まだ生えていない親知らずの場合、もちろん歯肉を切って抜く形になりますが、抜いた後縫合するので、抜糸さえすれば大きな穴が空くようなことは少ないです。

生えてから抜くと、どうしても傷がふさがるまで食べ物が詰まりやすく不快な時期が長くなることがあります。

抜歯の難易度について

まっすぐに生えている場合

まっすぐに生えている場合

抜歯の難易度

まっすぐに生えていても、長さや歯の根の形、お口をしっかりと開けることができない場合など、その困難さはいろいろです。根の形が短くまっすぐであれば比較的簡単なケースが多いと思います。

ただし、抜歯が必要になるまでの状況により困難さが変化します。虫歯でボロボロになっている歯の場合、かえって時間がかかることがあります。

抜歯にかかる時間

抜歯については、事前に体調確認、血圧測定などを行い、麻酔後15分から30分で終わる処置になることがほとんどです。

すべてのケースで行うわけではありませんが、場合によっては歯肉の切開を行います。その際は抜歯後縫合をしますが、その時間を含めても大差はありません。

横向きに生えている場合

横向きに生えている場合

抜歯の難易度

横を向いているからといって、必ずしも難しいとは限りません。もちろん、難しいケースが多いのですが、事前のレントゲン撮影にて歯の大きさや長さ、深さなどによって難易度は変わります。

小さな親知らずの場合、横を向いていても、すぐにコロンと抜けることもありますから、何事も事前の確認次第です。そのあたりはしっかりとご説明します。

抜歯にかかる時間

横向きに生えている場合、ほとんどのケースで歯肉を切開する必要があります。そして、歯を削って割り、細かくしてから抜くこともあります。

親知らず周辺の骨を削って抜かなければならないケースなどでは、麻酔後30分から45分かかる場合もあります。

不安があり、口が大きくしっかり開いておくことができない場合は、休みながらの処置になりますので、時間がかかることもあります。

埋まっている場合

埋まっている場合

抜歯の難易度

完全に骨に埋まっている親知らずの場合は、基本的には処置の範囲が広くなりますので、病院の歯科口腔外科をご紹介させていただきます。

よって、当院での抜歯難易度は高いといえますが、病院の歯科口腔外科の先生はその道のエキスパートですので、ただ単に埋まっているという程度では難しいということにはなりません。問題は、その埋まり方になるでしょう。

事前に詳しく説明がありますので、そのうえで抜歯については検討いただきたいと思います。

抜歯をお勧めするケース

矯正をした方は後戻りのリスク軽減のために親知らずの抜歯をお勧めすることが多いです。

あとは、少しだけ親知らずが生えているようなケース、歯ブラシが全く充てることができないような角度で生えているケースなどでは、汚れがたまりやすくなるので抜歯をお勧めします。

もちろん、まっすぐ生えていても、痛みを繰り返している場合、虫歯になっている場合は当然抜歯になります。

必ずしも抜歯しなくても
いいケース

完全に骨の中に埋まっていて、手前の歯に対しても特に悪さをしないような状況であれば、ただそこに埋まっているというだけなので抜歯を勧めることはありません。

ただし、だからといって一生涯安心というわけではありませんので、万が一人生の大切なタイミングで痛みが出たり腫れたりするのが心配な方の場合には、抜いたら二度と生えてはきませんので抜歯を希望されることもあります。

親知らずを
抜歯する際の流れ

検査

レントゲン検査、お口の中の確認をします。

検査
麻酔

表面の麻酔、歯の周りの麻酔注射だけでなく、より深い位置での神経への麻酔も併用することがあります。

麻酔
抜歯

麻酔後、必要に応じて歯肉を切開し、状況によっては歯を削り割り、抜歯していきます。
※切開した場合は、縫合し、止血を確認したのち治療終了となります。

抜歯

抜歯後の注意点

大抵の場合、親知らずの抜歯は、部分麻酔、外来で行いますが手術になりますので、簡単に抜けたとしても抜歯後、激しい運動やアルコール摂取などは控えていただきたいです。

せめて当日、できれば数日間となります。もちろん、治りを悪くしますので、喫煙はしないでください。疼痛緩和と術後感染予防として鎮痛剤・抗生剤・うがい薬などを処方しますので、歯科医師の指示に従い服用してください。

抜歯後の注意点

抜歯後の腫れについて

上の親知らずの抜歯で腫れることはほとんどありませんが、下の親知らずの場合は腫れる方もあれば腫れない方もあります。

歯肉を切開し、歯を削り割るような処置が必要な場合、腫れることが多いですが、痛みをともなわなくても大きな飴玉を口に入れている程度腫れる方もいます。大半は、左右を比べると少し腫れているかなという程度です。

腫れる期間

抜歯後の腫れが継続するのは4~6日程度かと思います。痛みをともない、ずっと冷やしてしまった場合などはしこりっぽくなって腫れが引くまで時間がかかることがあります。

強い痛みは冷やすと楽になりますが、腫れを早く取りたい場合には少し温める方がよいです。

腫れやすさは、個人差がありますので、実際に大きく腫れてしまうかどうかは抜いてみないとわからないケースがほとんどです。

危険な腫れ方

腫れ方で危険な場合は、強い痛みを伴う場合と例えば右の歯を抜いたのに、左までお顔の腫れが広がってきたような場合はすぐに連絡をいただきたいです。

もしくは、救急での対応が必要かと思います。抜歯の影響による腫れだけでなく、そこに細菌感染している可能性が高いからです。

消毒の際にも確認はしますが、だんだんと腫れ方がひどくなってきた、痛みがどんどん増してきたような場合は、一度ご連絡ください。

よくある質問

普段は全く痛みが出ていないような場合でも、体調がすぐれない場合やストレスが加わり抵抗力が低下している場合ではいつものように磨いていてもわずかな細菌の影響により親知らず周辺の歯肉に炎症がおき痛みが生じます。

また、親知らずの生え始め、歯肉が盛り上がり、上なら下の歯が、下なら上の歯が歯肉に傷をつける場合があり、その際にも痛みが生じます。

あごの大きさが小さく狭く、親知らずが生える場所がないケースがほとんどです。

幼少期よりしっかりと噛む、よく歯を使っている食生活であごの発育がしっかりと進んでいるような方はまっすぐ上下4本の親知らずがちゃんと噛み合う場合もあります。

やわらかいものばかりを食事することが多くなってきたので、きちんと生えないのは親知らずだけに限らない状況です。

一度抜いた親知らずがまた生えてくることはありません。そこだけが唯一の救いです。

何度も何度も抜かなければならないような歯が生えてくるなんて、とても恐ろしいことです。親知らずは真ん中から数えて8番目ですが、ごくごくまれに9番目の歯がある方がいます。その場合は、親知らずを抜く際に一緒に取ってもらいます。

痛みを繰り返す場合、飲み薬や親知らずの周辺の洗浄消毒で症状が治まることがありますが、やはり抜かないと症状が繰り返すことがありますから、痛みが生じた場合には抜歯が唯一の治療になります。

炎症を繰り返し、傾いた親知らずを矯正治療で磨きやすく治して使う場合もあるのかもしれませんが、当院では行わないです。

どんな歯の抜歯もそうですが、痛みや腫れがあるときには、基本的に抜歯はできません。

麻酔がほとんど効きませんから、施術そのものがとてもとても痛く、耐え難いともいます。痛みや腫れは、洗浄消毒し、お薬をしっかり飲んで栄養を取り、回復させます。その後、抜歯については万全の態勢で行うとよいです。

親知らずの抜歯だけでなく、抜歯全般にいえることですが、術前のレントゲン検査等では確認できない骨との癒着や骨の硬さなどから抜歯を途中で断念することがあります。

また、麻酔の効く時間にも限りがありますので、抜歯途中で痛みが強くなってきて追加麻酔も効力を発揮しない場合は中止ということもあります。その場合は、再度日を改めて抜歯ということになります。

一度目である程度抜歯しているので、二度目の時はすんなりと抜けてしまうこともあります。下あごの横を向いた親知らずの抜歯は、はじめから2回に分けて抜く方法もあります。

親知らずは、生える時期とその生える場所、生える角度から汚れやすく、虫歯になることがあります。

あまりにも虫歯が進行してしますと歯の形がボロボロになり、生じた炎症により骨との癒着が生じて抜きにくくなることもあります。できれば虫歯にしないこと、虫歯がひどくなる前に抜歯を検討してください。

めちゃくちゃ小顔になりますよといえば、小顔に憧れる方は親知らずを抜歯するのでしょう。

では、もっと小顔になりたければ全部の歯を抜きますか?歯が抜けてしまった頭蓋骨は、筋肉が落ち、全体的に小さくなります。それは、決して良いことではありません。親知らずを抜くことのメリットとして小顔になるとは言えないです。